毒物


夏休みが終わるのね。
僕の中で夏はいつの間にか
脆くて儚いものではなくなっているのだなぁ。

いつでも呼び出せる訳ではないのに
気軽に会える存在と勘違いし始めている気がする。


毒に触れると
自らも蝕まれてゆくように
少しずつ感情がこぼれ落ちていく。

過激な毒物も
少しずつ与えられてしまったら
気が付かないうちに
物事を視ようとする視力が鈍り
本質を追い求める聴力が鈍り
最初からそうであったかのように
僕自身も毒へと変化していく。

僕のために早く抜け出さなければ
という守りの気持ちと

なにひとつ遺さず零へと浄化しなければ
という清い気持ちと

もう少し、もう少し…様子を見よう
という愚かな気持ちが
交差しているのです。

日和ってはいけない。
そう言い聞かせながら
なんとか正気を保っている


秋も少しずつ顔を出してきて
今年もそろそろ終盤に差し掛かってきたというところか。

後悔のないように生きよう。